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〔4〕
ゲーム開始から20分、村瀬は迷っていた。
それは、自分の解答に自信がないからだ。
周りのテーブルからはちらほらと、解答者が出ている。
そして、同じテーブルからも解答者が一人出ている。村瀬の真正面に座っている、高校生くらいの少年だ。
その少年は暇つぶしのつもりだろうか、携帯ゲーム機を取り出し、なにやらピコピコやっている。
「きゅうしょ……、マジかよ……」
しかし、手をこまねいて見ているわけにもいかず、村瀬は納得いかないままも、自分の解答を解答用紙に記入し、前方の解答箱に提出する。
それからも解答者は続々と出続けた。
残り時間を示す時計が残り0分0秒を告げ、田崎が檀上に上がる。
「さて、皆様、今回はここで解答を発表させて頂きます」
予想外の展開に会場がどよめく。
「このクイズに正解するためにはどうしても不可能をとび越えなければいけません。なぜなら、問題から、今あるみかんは全部で3つ。しかし、三人に平等に分配し、さらに段ボールの中に1つ残すのには、4つのみかんが必要になりますから。」
うんうん、と会場内で頷くプレイヤー数人が村瀬の目に入る。
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