File.11:霊、井戸、脱出にて

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      〔2〕  5分ほど後、私をのせたタクシーは予定通り神山港に到着し、私はあらかじめ用意していた財布からタクシー代を支払うと、タクシーを降り、港に降り立った。  港には白い大型客船が停泊している。  その乗船口に、係員と思ぼしき、若い男性が立っている。  そしてその向かいには、サングラスをかけた女性。どうやら参加者のようだ。  係員の若い男性は私に気づくと、会釈した。女性は少しこちらを見たが、すぐに係員から鍵を受け取ると船内へと消えていった。  私が近づくと、係員は、「ようこそ、ミステリ甲子園決勝大会へ。失礼ですが招待状はお持ちでしょうか?」と言い、招待状を確認した。
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