File.11:霊、井戸、脱出にて

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 私が鞄から招待状を取り出し、手渡すと、係員の男性は招待状を確認し、名簿らしきものをめくった。  そして私の名前を見つけたらしく、鍵をケースから取り出すと、さっきの女性にも言ったであろう台詞を復唱した。 「新田様、招待状を確認いたしました。どうぞ、ご乗船下さい。部屋は312号室となっております。部屋のスケジュール表にもございますが、本日、出航は18時ちょうど。夕食は19時30分から、クイズの出題は21時となっております。ごゆっくりおくつろぎ下さいませ」 そう言うと、係員は頭を下げた。私は係員に会釈すると、船内へと足を踏み入れた。
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