過ぎ去っていく日常

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校門から出てきた零夜は家の近くにある寂れた小さな公園に来ていた。 そこにあるペンキの剥げているベンチに腰をおろすと、背伸びをして身体をほぐしていた。 「フゥ…。(やはりわかっていた事だが、『化け物』か………。確かにそうなのかも知れないな。何せ四階から飛び降りて無傷だったり、あの距離で呟かれた声も微かにだが、それでも聞こえているんだからな。)……俺は一体、何なんだろうな………。」 零夜がとても自虐的な考えに囚われていると、どこからともなくバイクをふかすヴゥォンヴゥォンという音が聞こえてきた。 そして零夜がいる公園の中に侵入すると、五十台ほどのバイクが零夜を囲むようにして停められた。 「よう、こんなところにいたんだ?山本零夜、いや…『白銀の鬼神』。」 バイクから降りた、サングラスを掛けたヤクザのような男はそう言い、その男を零夜は面倒臭そうに見つめ、「今日は厄日だ………。」と呟いていた。  
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