第零章:始まりの鐘

2/3
前へ
/63ページ
次へ
    「ハツ、助けてよぉぉぉ!土方さんがぁ!土方さんが、ご乱心だよおお!」     小柄な女子が、屋敷内を走り回る。    彼女の名前は戸尾蒼姫(とおそうき)。歳はまだ十五、六歳で、曲がったものが大嫌いな頑固者である。     「ご乱心じゃねぇぇえ!あほかお前はっ!」     その後ろを物凄い形相で走っているのが、かの有名な鬼の副局長…土方歳三である。     「待て蒼姫!待たねぇと切腹だっ」     「待てと言われて待つ者は居ません!!」     蒼姫は、土方が伸ばしてきた腕をひょいと避けると、近くの部屋に逃げ込んだ。     _
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

309人が本棚に入れています
本棚に追加