第一章:波瀾万丈

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    「俺はねー…女中の美桜(みお)さんが屯所一美人だと思う」     雪崩れ顔の藤堂が、枕を抱き締めながら言う。     「そんな格付けみたいな事言ってると、ソウちゃんに絞め殺されますよ」   やれやれというように、初也は首を振り立ち上がった。   「あれ、今日は部屋から出るんだ」    「ええ、今日は厄介なことにソウちゃんと"副長と沖田さん"のお買い物ですから」     そう笑顔で言い残し初也が去った後、藤堂は一言呟いた。     「…なんやかんやいって、ハツも蒼姫の事気になるんじゃんか」     だが、副長と沖田と蒼姫なら一番危ないのは――「副長じゃね?」     _
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