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「当たり前な日々」
そんな言葉が的確だった。
21:15
-都内、京○線電車内-
その日も晋慈は電車に揺られ、帰路を目指していた。
山科 晋慈 28歳 会社員
(ヤマシナ シンジ)
この話の主人公だ。
晋慈には幼なじみで同い年の妻祐子と4歳になる娘の千利がいた。
学生時代はテニス部に所属、運動神経もよく、勉強の成績も上々だった。
就職や結婚もトントン拍子で決まった。
しかし、世にいう幸せな家庭を手にした男は毎日に退屈を感じていた。
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