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「ねぇ、なんだか隣りの部屋から変な音がしない?」
そうだろうか?僕は彼女に言われて始めて隣りの部屋に耳を傾けた。
――ガガガガッ
そんな音だ、それは聴き方によっては工事現場のドリルのような音だった。
「変な音だね、でも気にしてもしょうがない」
そう言うと僕は布団に潜り込んだ。
それからしばらくしても音は止まなかった、彼女もまた布団に入ろうともせず、その音に耳をすますのをやめない。
なぜ彼女がそんなに熱心なのかは分からない、ただ言える事は彼女が極度の心配症ということだ。
「ねぇ、もういいじゃないか、その音は絶対僕らに危害は加えないさ」
そう僕が言うと彼女は反応を示した。
「そうかしら?よく聴いてみて、チェンソーの音に聴こえない?」
言われるとそんな気もした、しかしそれは一瞬の迷いのようなもので、実は全然チェンソーじゃない気もする。なんだって聴き方によるのだ。
「もし…もしよ?チェンソーで人の腕や首、足とかをバラバラにしてる音だとしたら?」
「それは確かにまずいね、それに気付いた僕らはきっと殺されてしまう…」
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