プロローグ

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コウちゃんが死んだ。 ある日突然。 コウちゃんと最後に会った日、私達はいつもみたいにたわいのない口喧嘩をした。 それは、ほんの些細な内容。 今はもう、その内容も思い出せない。 あの日が、あの時が、最期と知っていたなら―――。 大好きだよ。 ずっと一緒にいてね。 そう伝えて、今、この瞬間も一緒にいれたかもしれないのに。 ねぇ、コウちゃん。 最後の 最期の瞬間に ほんの少しでも私の顔を思い浮かべてくれてたかな? ケンカしちゃってたから、思い出しもしなかったかな。 それを思うと、私は夜も眠れないんだ。 ねぇ…………。
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