プロローグ

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ねぇ、コウちゃん。 コウちゃんがいなくなって、もう一年もたつね。 コウちゃんのおばちゃんも少しずつ元気になったよ。 学校の皆も、コウちゃんの話をしても、前みたいに辛い顔はしなくなった。 私も、表面は元気。 毎日友達と騒いで、たまにカラオケ行ったり、受験勉強したり、普通に過ごしてる。 でもね、心の中は穴があいてるみたい。 いつも 何してても 隣にコウちゃんがいるみたい。 こんなに辛くなるなら いっそ忘れたい。 でもうまれてから、ずっと隣同士で育った私達。 コウちゃんとの思い出がない場所の方が少ないみたい。 どこにいても、コウちゃんとの思い出で頭がいっぱいになるの。 忘れる事もできない。 フワフワの柔らかい茶髪に眼鏡をかけた、優しいコウちゃんの笑顔が私の中から消えない。 夢では何度会ったかな? 夢の中で私達はいつも笑顔。 でも、いつもあの日が来て、ダメだってわかってるのに、やっぱりケンカ別れする。 そして、コウちゃんの事故をしらせる電話が来て 私は目を覚ます。 またコウちゃんのいない1日が始まるんだ。
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