手紙

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「今日は転入生を紹介します。高校生三年という時期の転入に彼も色々不安もあるでしょうから、皆仲良くしてあげてくださいね。」 皆ははいと返事したけど、転入生を早くみたくて仕方ないみたい。 ドアの方に釘付けだ。 「さ、いらっしゃい。」 先生がそう言うと、ドアから男の子が顔を出した。 「…………………っっ!?」 皆が息をのむのがわかった。 そりゃそうだろう。 彼は予想よりはるかにかっこよかった。 男の子はかなり背が高く、モデルみたいな体型をしていて、それに負けじと顔もすごく整っていた。 少したれ目の二重、短い黒髪が爽やかさを際立たせていて、まるで王子様みたい。 「はじめまして。」 彼の声は少しかすれた低い声でなんだか甘くて色っぽかった。 天は二物を与えずと言うけど、ここまで与えられてる人もいるんだと私は驚いた。 きっと私の驚きはクラス皆の物だと思う。皆ポカンとした顔で彼を見てるから。 「柳瀬 亮です。3年の7月に転入で馴染めるか心配ですが、高校最後の年を楽しいものにしたいので、よろしくお願いします。」 柳瀬 亮はそう言うと深々と頭を下げた。 「はい、挨拶をありがとう。貴方の席は田中さんの隣ね。田中さん、手をあげて。」 私は手をあげる。 柳瀬 亮は頷き、私の隣の席についた。 周りの女子からの冷たい視線を感じる………。 これだけの男前の隣じゃ仕方ないか。
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