落ちこぼれと呼ばれる少年の1日

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「ディン・ファスター!!またお前なのか!」 中央州の西にある学園『クロノ魔法学園』の実習錬にしゃがれた男性の怒号が響く。 「お前はいつもいつもいつもいつも!!」 「…………」 その怒号を黙って聞いている少年がいた。 平均より高い身長に、ボサボサの黒い髪と黒い瞳。容姿は悪くないが、整っている訳でもない。 要するに普通と言える少年は、ただただ怒号を顔を伏せたまま聞く。 「またあいつかよ」 「何やってんのかしら」 「落ちこぼれかよ………」 口々にいうクラスメートたち。 その声も聞こえているが、少年が何か言う様子はない。 「何故お前は言われたことすらできんのだ!だいたいーー」 男性教師の怒号という名の説教は終わらない。 「…………」 陰口と怒号を少年ーーディン・ファスターはただ黙って聞いていた。
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