落ちこぼれと呼ばれる少年の1日

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「はぁ………」 説教から解放され、教室に戻って自分の机に突っ伏すディンは長いため息をついた。 「なーんでいっつもあんなんなるかねぇ……謎だ」 ボソボソと呟く。呟かなければやってられない。 昔からそうだった。生まれは中流貴族だが、魔力はないに等しいーーというか無いと知らされ、その時から1部を除く親族や両親、兄や妹にまでやっかみの視線を浴びて暮らしてきた。 そして学園入学と同時にマンションに無理矢理引っ越されてしまったのである。 (ま、今の方がせいぜいするけど) ディンは今のマンションの方が気に入っているらしい。誰からも陰口を言われないからもあるが、1番は1人は気が楽だからという理由だ。 だが、魔法学園で魔力の無いディンが魔法を使えるわけがなく、入学1年目で「落ちこぼれ」の名が全学園の生徒に広まった。 良く言えば有名人なのだが、こんなに誇れないあだ名も他にないだろう。 (慣れちまったけど) 最初は嫌だったが、今となっては慣れっこになってしまった。 自分を落ちこぼれと言わない人もいるにはいるが、それも1部の人だけである。
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