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●月●日 土曜日。
槙と識は友子の実家の丹波を調べてもらった代金の代わりにと匡一に頼まれた子守の手伝いをするため、原田家へとやってきた。
「うわぁ~。あいかわらず大きな家だね。」
原田家の門の前に立ち、門から少し離れた場所に見える建物を見ながら識がそう感嘆の声を上げた。
「本当にな。さて、チャイムはどこだ?」
槙も識の意見に頷き、チャイムを探していると、
『いらっしゃい槙さん、識さん。今、あけますね。そのまままっすぐ進んでもらったら玄関なんで。』
と、どこからともなく太一の声を聞こえ、門が『ガタンッ!』という音を立てて開いた。
その光景に、
『おぉ!?』
槙と識が同時に驚きの声を上げた。
そして門が開ききったところで、
「いやぁ~、やっぱ何かすむ世界が違うって感じだな。」
「うん。普通に話してるとそうでもないんだけどね。」
という会話をしながら中に入り、太一に言われた通りまっすぐ進み玄関を目指し歩き始めた。
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