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寝息をたてる彼の隣で、その規則正しいリズムを聞きながら眠れないでいた。
何故アタシに電話を掛けてきたのだろう。
さっきの女性は誰なんだろう。
本当に店長達と飲みに行ったのだろうか。
聞きたい事は沢山あるのにアタシは彼に聞かなかった。
いちいち真理の許可を貰わなきゃならないのか?と彼が言ったのを思い出して言えなくなった。
そのせいでいろんな事を考えてしまう。
彼のとった部屋はダブルである事から、当然ここに誰かと泊まるつもりだったのだろう。
さっきの女性に断られたからアタシを誘ったのだろうか……。
そう思うと胸が苦しくなった。
いつまでこの苦しさと闘わなければならないのだろう……。
いつになったら彼はアタシだけを見てくれるのだろう……。
また会えない日が続く。
次も彼と会えるかは判らない。
もしかしたら今日見た女性が彼の隣でこの寝息を聞くのかもしれない。
彼に抱かれて幸せを噛み締めても、こうした不安がアタシを襲い心が泣いてしまう。
彼と出会った頃の幸せは何処に行ってしまったのだろう。
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