2787人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日からまた彼と会えない日が始まり、アタシの気持ちはどんどん暗い闇の中へと落ちていった。
一アタシのカン当たるの知ってるよね一
静香……。
静香の言う通りにしておけば、こんなに苦しくならないで済んだのかな……。
この間会いに行かなければ、知らないままアタシはまだ幸せでいられたのかな……。
一遊び一
もうアタシの中でもそれは判っている。
アタシは彼が興味を持った一人の女にすぎない。
ただ認めたくないだけ。
今だって彼は誰かを抱いているのかもしれない。
彼の傍にいるかもしれない女性に嫉妬する事に疲れてきていた。
一番という言葉で縛りつけているのはアタシなのだろう。
そしてそこに安心を求めているんだ。
そんな時、静香の言葉を思い出した。
一何が一番大切なのか一
もうここで終わりにした方がいいのかもしれない。
しかし、それをアタシは出来るのか……。
もしかするとちゃんと心が繋がる日が来るかもしれないのに……。
でもこのままだとアタシの気持ちはいつまでも中途半端にさ迷うだけ。
悩んだ末にアタシは決断する。
次に彼と会った時、その日を終わりの日にしようと。
永遠に会えなくなる覚悟を決めて踏み出そうと思った。
心が苦しく締め付けられる。
苦しさから解放しなければアタシは壊れてしまう。
《次にこちらに来た時にどうしても会いたいの。
我が儘はこの一回にするから、会って欲しい》
彼にメールを送った。
《判った。2日にそっちに行くから夜に会おう》
彼から来た返信を読むアタシには笑顔は無かった。
もう引き返せない……。
最初のコメントを投稿しよう!