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朝陽が昇る。
彼の言葉はアタシを幸せにしてくれた。
最後にその言葉を貰えて良かった。
窓から差し込んでくる朝陽がアタシの手を照らす。
握ったままの手に当たる朝陽が薬指に輝きを与えていた。
『綺麗……』
もうひとつ輝きを与えられたモノはアタシの手に握られたままだった。
それを見つめたままアタシは微笑んだ。
『もうこれで苦しまなくていい……』
そう呟きベッドに横たわる彼を見た。
嬉しかった。
最後に彼がアタシの名前を呼んでくれて……。
彼の髪を撫でる。
アタシはもう一度窓の外に目をやった。
静香……。
貴女はまた怒るかしら?
でもね。
アタシは貴女に感謝してるのよ。
貴女の言葉がアタシに答を見つけさせてくれたのだから。
後悔していない。
本当よ。
馬鹿な女って言うかしら?
静香、アタシ今とっても幸せなのよ。
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