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居酒屋に入り、店員にクラス会の事を伝えると、2階の座敷に案内された。
どんな顔ぶれが揃っているのか、担任は来ているのかワクワクしながら2階へと上がる。
店員が目の前の襖を開けてアタシ達を中へと促した。
おおーっ! という歓声に一瞬戸惑いながらも中へと足を踏み入れる。
『うわぁ! あんた達今日も3人でつるんで来たんだ?』
そう声を掛けてきたのはクラス会の幹事の小百合。
当時クラス委員をやっていて、なんたってみんなを纏め上げるのが上手くクラス会の幹事も彼女が買って出た。
『あんた達の席はここよ』
そう言って彼女が指さした場所にアタシ達は座った。
見回すと、当時の担任も出席していた。
最初の頃に出席して以来、転勤であちこち行っていた先生は、当時もすでにベテランの年代だったのだが、すっかりお爺ちゃんになって帰ってきていた。
『ん~と、あとは葛西君だけだわね』
幹事の言葉に恵美が食いつく。
『か、葛西君、来るの?』
『今回出席だってさ』
恵美の顔がみるみるうちに赤く染まっていった。
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