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「さぁ、ここで問題です。三秒後貴方はどうなるでしょうか?
1殺される
2殺される
3殺される
どれかなぁ~」
「え?」
ドゥン……
有り得ないと思った。
信じられないと思った。
だけどその痛みは現実で真実で事実で明確で絶望で似非事で嘘の様で……。
気が付くと先程殺した彼女が銃を持ち、銃を構え、その引金を引いていた。その銃から打ち出されるマズルフラッシュに目を閉じて気が付けば肺に銃弾の穴があいていたのだった。
嘘だ……。こんな、こんなバカなこと……!殺した筈……な……のに……。
フードの人物から意識が逃げていく。そして理解した。嗚呼、死ぬんだ。と。
苦しくて息を精一杯吸い込む。だけどその肺から抜け出す酸素は止めようもなく漏れていて、もう出血も限界に近づいていた。誰がどうみても助からないと言うだろう。
まだだ………。まだ、死ねない……。死ね……ない……。
朦朧とする意識の中フードの人物が最後に見たものは此方に向かってくる彼女の腕だった。
一度の静寂。最後に彼女が一度フードの人物を踏みつける。ガハッっと赤い血をはきだしフードの人物は完全に絶命した。
「ふふ、二度目の殺し合いだっていうのにホント、進歩ないねぇ……」
もう少し楽しめると思ったのにとフード人物の呆気ない死様に落胆しながら彼女は月を見上げる。何時までも変わらず照らしだす幻想の夢がそこにあった。
「あ、そうだ!」
一心に月を見続け、まるで小さな子供の様に自分の思い付きに一喜一憂する。その様からはとても人肉を補喰し、体を斬られ、人を殺した少女にはみえなかった。
そして……
幾多の闇がこの世を支配する中目を覚ます。体の痛みはなく意識は朦朧としていた。
あれ?死んで……ないのか?
目を覚ましたのは先程のフードの人物。確りと意識があり記憶もある。至って正常だ。
「首だけの事を除けばね。」
目の前には狂気の死神。そして最初は彼女が言っている事が理解できなかった。だが逃れようの無い事実が告げる。現実だ。と。
え?なんだ?体は?何処?何処?何処?何処?ドコ?どこ?首だけ?何で?何で?何で……!!?
「あああああああああああああああああああ!!!」
「んもぅ。そう簡単に狂わないでよぉ?せっかく貴方にみしてあげようと思ったのにぃ」
精神の限界の中フードの人物は最愛の人が食べられていく様を見るしかなかった
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