1077人が本棚に入れています
本棚に追加
「…それにしても、バスの時間までけっこう余ったな」
帰りのバス時間まで約四十分。
メイド見物でそこそこ時間は潰せたものの、四十分も残っているのは辛い。
最終手段の雑誌立ち読み巡りの旅は、今月一杯使用不可。
さてどうしたものか、と彼はため息をひとつ。
「…あれほど待てと言ったのに、酷いでございますです」
「……」
彼は目を擦る。
一通り周りを見渡し、青い空を見る。
そしてまた目を擦る。
最後に、何故か目の前にいるメイドの顔を凝視する。
よく見ると、頬が少しだけ不機嫌そうに膨れていた。
「確かに、いるな…」
「…いますです」
目眩がした。
最初のコメントを投稿しよう!