プロローグ

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広告が数枚貼られた硝子窓の向こう。 何ら変わりない大型スーパーのレジ付近が、まるで飴に群がる蟻並に人で溢れかえっていたのだ。 老若男女関係無し。 ケータイのカメラで撮影する者多数。 それはもう、異様としか言いようがない光景であった。 それを見てなんとなく気になって来てみれば、そこに謎のメイドがいたわけで、話は現在に至る…。 「…困りましたね、本当に」 ほぅ、と息を漏らし、困り顔で頬に手をあてるメイド。 すると同様に、女の子も困り顔になる。 「困るのはこっちも同じですよーっ、こっちにはまだ、清算を済ませてないお客様もいるんですからぁ!」 「…見逃す、というのはどうでしょう。 思わぬところで福があるかも…!」 グッ、と親指を立てるメイド。 「見逃せってか!? んなことしたら私首飛ぶから!首っ!!……うぅ…早く残りの一円を何とかしてくださいぃぃ!!」 …なんかもういっぱいいっぱいだ。
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