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何か言わないと……。
「こんにちわ。いい天気ですね」
僕は言った。
女は僕に向かって頭を下げた。
「じゃあ」
僕は早足にその場を去る。
まさかこんな所で人に会うとは思わなかった。
自殺を止められでもしたら、折角の意志が揺らいでしまうかもしれない。
そんなのはごめんだった。
僕は草を掻き分け、奥目指した。
足元に生い茂る草。ゴツゴツした岩。
かなり奥まで来たはずだ。
ここなら誰にも邪魔されずに死ぬ事が出来るだろう。
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