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僕は、背負っていたリュックを地面におろした。
中をガサゴソとあさると、縄を取り出す。
どの木がいいだろうか?。
僕は周囲を眺め、首を吊るのに最適な木を探した。
と、
うしろの草が揺れ、草むらから、さっきの女が顔を出した。
目が合うと、女は情けないぐらいに口を開け、見開いた目で僕を見た。
もしかして、この女も自殺しようとしてるのではないか?
女の服装を見る。観光の為に樹海に入る服装ではない。
無地の半袖にジーンズ。おまけに荷物を何一つ持っていない。
「……もしかして……あなたも?」
僕は、つぶやく様に聞いて見た。
女は黙って頷いた。
「あの……何かつらい事でもあったんですか?」まさにお節介だが、好奇心にかられ、僕は聞いた。
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