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――私は、人を殺しました。
悲痛な叫びが聞こえる。
――私は、私の“絵”で、人を殺しました。
理解の出来ない言葉を発している。
――私は……化け物です。誰か私を……。
プツリと、意識が途絶えた。少女は、最後に言った。“殺して”と。
だが、少女は誰にも殺してはもらえなかった。
――死して自分の罪を償おうとするならば、殺した人の分まで生きて、その罪を背負い、生きていきなさい。
別の声が聞こえた。その声は、頭へと直接声を流し込まれているようで、不快な気分へと陥るような、そんな声だ。意識の途絶えた少女へ声が届いているかなどわからない。
ただ、その声はまるで少女を慰めているようで、その声は少女を暖かく見守っているようで、その声は、ただただ少女に生きて欲しいと、そう願っているようだった。
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