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「アリエスさんの家で晩御飯頂いた！ すまん！ 連絡は入れられなかったんだ！ これを見てくれ！」
そういうと、第一回目の打撃の際に飛んだと思われる鞄を、殴られた位置から約五ｍ先の生垣から引っ張り出してきた。
「？ 鞄が何ですか？ にぃさま、まさか、また有耶無耶にしようとしてますか？」
「してない！ 構えるな！ いいか、大事なのはこれだ！」
「……逆に曲げようとしたんですか？ 今時そんなこと、小学生でさえしませんよ？ 携帯電話、真っ二つじゃないですか……縦に」
「そう、そこだよ！ まず、逆に曲げようとしたら横に真っ二つだ！ だけど、これは縦に真っ二つ。この意味分かるな!?」
里奈は、じっくり三十秒思考して見せる。そして、
「にぃさま……携帯って、横には畳めても、縦には畳めないって知ってました？」
「……里奈、お前はどこまで兄を馬鹿にするのだ？」
「馬鹿にするなんて、そんなことしないですよ？ 里奈は、単純にそう思っただけです。なにしろ、にぃさまですから」
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