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恵一の幼馴染兼クラスメイトで、名前は椿葉音。葉音と書いてハートと読むらしい。名前までちょっと、というかだいぶ変わった子である。
身長は百五十一センチ程度。寝起きなのか、セミロングの蒼髪がぼさぼさになっている。寝ぼけているのか、若干目がうるうるしているように見える。碧眼で、何かを魅了するような、そんな目をしている。
「葉音はね、お散歩。そしたら、にゃんちゃん見つけてね、お気に入りの場所でお話ししてたんだー。けーいち、このにゃんちゃん、名前何て言うの? けーいちが飼ってたんでしょ?」
「……名前はないよ。一応、ネコ子って呼んでるけど。あ、葉音ちゃんが名前つけてあげるといいよ、うん」
「いいの? じゃあね、じゃあね、タマサブロウ。タマサブロウがいいな!」
何故タマで止めないのかは分からない。まぁ、ありきたりだという点から考えると、タマサブロウなどという名前は、なかなかいるものではないだろう。……いないと信じたい。
「なら、タマサブロウでいいと思うよ」
「やったな、タマサブロウ!」
あははは、と笑いながら葉音はネコの手を固く握りしめた。ひとつ言っておくが、タマサブロウは雌である。
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