恋敵と書いてライバルと読む……?

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 葉音の家は敷地だけで東京ドーム?個分。三個とも四個とも噂わあるが、定かではない。加えてその広い敷地のど真ん中に建つ家は、東京駅を丸ごと入れてもまだ入るくらい広く、部屋の数も十や二十ではない。  さらに、専属のメイドが一人と、椿家専属の執事が一人。雇い家政婦や家政夫(男女差別廃止のため、この字を使わせていただいております)が合計で四・五十人いるらしい。まったく、化け物屋敷である。いい意味で。  さて、結局恵一は秘蔵の飴玉をいくつか葉音に分けてあげると、葉音の家に連絡を入れた。 『はい、椿家でございます』  呼び出し音一回で出るあたりがやはりプロなのだろう、と恵一は感心しつつ、用件を述べた。
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