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「野村さん!? いらっしゃったんですか!?」
「いえ、今来たところですので、今の会話はほとんど記憶しておりませんので安心してください」
出来た執事である。というか、これくらいできないと執事は案外やっていけないのかもしれない。
「そうですか、助かります」
恵一が言うと、一度振り返り、葉音を送り出そうとした。したのだが、一度葉音はここに泊まる! などと言いだし、迷惑をかけれないということで何処からともなく現れた黒い影に表に止めてあった車に連行されていった。今の手際は間違いなく黒羽だろうと、恵一は確信していた。
「では、お休みなさいませ」
そう言うと野村も車に乗り込んでいった。車が妙に長いのは御愛嬌というやつである。
「で、にぃさま! その方はどなたですか!」
「いや、恵一はまず私にその娘と先の娘が誰かを明確に伝えるべきだ!」
むむむ、とアリエスと里奈が唸った。取り敢えず居間にでも行こうか。と、居間へ戦場を移し、これから起こるバトルに恵一は備えざるを得なかった。
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