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バトルが起こると思っていたが、
「と言うことは、そちらのアリエスさんは、今日にぃさまと晩御飯を食べられた方で」
「そっちの里奈って娘は、恵一の妹一号で、さっき居たのは恵一の幼馴染の子なのね?」
ふむふむ。と、頷いてアリエスと里奈は案外あっさり納得をした。ただ、
「でも、なんで恵一は葉音って子のスリーサイズを知ってるのかな? かな?」
「雛○沢村の住人の女の子みたいに言うのはやめて!? 本当に怖いよ!? それに、俺自身が知りたくて知ったわけじゃないんだ!」
「嘘だ!!」
「まだ引っ張ります!? そのネタ!」
あははは、と里奈とアリエスは笑った。この二人は、何かと波長が合うのかもしれない。
取り敢えず、といった感じで恵一は経緯を伝えた。
「ふーん、つまり、あの子が勝手に恵一にスリーサイズを告白しただけなんだね?」
「……、うん、そうだよ。聞いてるこっちが恥ずかしいんだからやめてほしいよ、ホントに」
「なのに今でもそれを記憶してるなんて、変じゃないかな?」
「だ、だってさ、インパクトが強くて覚えちゃったんだもの、しかたないじゃない」
そうなんだー。と、アリエスは笑って見せた。だが、眼だけは一切笑ってなどいなかった。さらに、
「にぃさま? 女の子のスリーサイズにまで興味を持つお歳なんですね? 里奈は、がっかりです。自分の実の兄が変態さんだったなんて、正直残念です。不潔です。これからは一歩距離を置かせてもらいます」
嗚呼、築き上げたイメージが崩壊していく……。と、恵一は心の中では思いつつ、実はこれすらもネタなのではないかと、疑い始めた。
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