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「恵一は、何もしてくれなかった。私に魅力が無かったかな? やっぱりおっぱい大きい方が男の子は好きなんだね……」
ぺたぺたと、自分の胸へと手を当てて小さくため息を吐いた。
「そ、そんなことはないよ! アリエスさんは魅力的だし、綺麗だし、でも、何かしたらしたで問題でしょ?」「当然でしょ?」
即答だった。しなかったことを怒っていたわりには、あっさりとはっきりとそう答えた。
「ところで、そのスケッチブック、あまり見ないほうがいいわ。死にたくないならね」
「あ、ああ。ごめん。そこに落ちてたから、つい」
閉じられたスケッチブックはやさしく、それでいて確りと手渡された。そして、
「どーせ、おっぱいなんでしょ?」
「まだいうか! 違うって、俺は好きになった人のが好きなんだよ! 今まで人を好きになったことなんか無いけどさ!」
ふぅん。と、小さく呟いたアリエスの瞳は、ジトッと恵一を見ていた。
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