道草を食う

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「俺は普通じゃなくていい…」 俺…草野 一樹(くさの いつき)は同じクラスの友人の学校帰りに遊びに行くという申し出を断っている。 「お前は普通だろ~。俺が知っている限り一樹ほど普通な奴には出会ったことねえし」 侮辱したいのかよく分からないことを言ってきているのがさっきからしつこく遊びとやらに誘ってくる級友…黒井 斗真(くろい とうま)。 「どうせヒマだろ?なら一緒に適当にそこらへんぶらぶらしてこうぜー」 「男2人目的もなく歩き回って何が楽しいんだ…」 とっくに放課後だっていうのに、黒井のせいで俺は帰れないでいる。 本当に傍迷惑もいいところだ…。 「いろいろあんじゃん。………ゲーセンとか………えー………某有名ハンバーガーチェーン店とか…さ」 「必死に考えた挙げ句出てきた例はたったそれだけか。底が知れるな」 「…人間の器の底が知れてるのはお前だけどな!」 そこだけ声を上げるのをやめろ。 ていうかこんな"してやったり"みたいな顔されたらさすがに苛々してくる。 「おやおや、行く気になったか?」 「帰るんだよ、当たり前だろ」 「底が…「黙れ」 とりあえず一蹴しておいた。
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