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「一樹ってさー、結構付き合いわりぃよな」
「そうだな。分かってるならもう見逃してくれ」
さっさと帰りたい…。
「そんなんじゃ友達なくしちまうぜー。だから遊ぼう!」
そんな黒井を蹴り飛ばして昇降口のある1階への階段をさっさと降りていく。
「一樹…お前って空手部だっけ?」
「そこまで強烈な蹴りを放った覚えはない」
階段を降りている途中で黒井が腹を押さえながら俺の隣まで追い付いてきた。
なかなかしぶとい奴だ。
「ていうか、一樹って何でそんなに早く帰りたがんの?しかも金も使いたがらねえしさ…」
「…知ってるだろ。俺の家ではだいたい飯作ってるのは俺なんだよ。金の管理だってほとんど俺がしてる」
正直に言ってしまえば俺だって遊んでみたいとは思うが、やっぱり家族は放っておけない。
特に1つ下の高2の妹は…本当に放っておけない問題児…。
「そうだったな、わりぃわりぃ、ちょくちょく"俺は疲れてるんだ!"アピールしてくれねえと忘れちまいそうになるんだ」
それはどんな風にすれば伝わったりするというのだろうか…。ぜひ今度"俺は暇人だ!"アピールをやってもらいたい。
………いや、それは常にしてるからいいか。
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