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「缶蹴りをしよう!!」
てなわけで、って何がてなわけなのかはめんどいからさておき、せっかくの土曜日だというのに何の予定もない暇そうな兄、妹に提案してやった。
土曜日の朝っぱらから2人座ってテレビなんか見やがって、この現代っ子!
「はい、光希ちゃん」
妹の理沙が私の足下に一つの吸収し尽くされた空き缶を置いてくれた。
「ありがとう…けど私は別に缶が蹴りたいわけじゃないの」
「?」
本気で分かってないなんて、あんたはどんだけ可愛い妹なんだ。
危ない思想を持った兄がいなくてよかったよ…。
いや、いたんだった。
「変なことを突然言うな、光希」
「妹を足の上に座らせてる兄なんかに言われたかないわ!自重しろ!」
理沙が置いてくれた缶がまっすぐ飛んで兄の一樹のでこにクリーンヒット。
ざまありません。
「どうせみんな暇なんでしょ!?適当にメンバー集めるから動きやすい格好に着替えて『缶蹴りサイコー!』って叫んでろ!」
さあ、忙しくなってきました。
ケータイなんていう最新兵器を持ってないんで暇であろう友達に電話をかけないといけません。
…リビングを離れた後に理沙が『缶蹴りサイコー!』って言ったのはスルーとしましょう。
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