缶蹴り~前編~

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沙希が言葉だけで脅迫してきたから、私はしぶしぶ語るも涙聞くも涙な事情を説明する羽目に…。 『なるほど…要するに肉まんが食べたいんだけどお腹がすいていないからまずはお腹を減らそう、と?とんだ腹ペコ自己中ね』 言っちゃダメ! 「だって!急に食べたくなったんだもん!!」 『分かった…分かったから叫ばないで。ちゃんと行くから、ね?』 「うん…。公園で待ってる…」 沙希はやっぱり鬼の子だ。 3人目:黒井 斗真 一樹の友達らしい人。 気が合うからなかなか楽しい奴だ。 「斗真さんですか?」 『ん、そうだけど。この声は光希ちゃん?』 いかにも退屈そうな声をしてますぜ。 こりゃ結果は聞くまでもなさそうだ。 「そうでーす。実は今日草野家主催の缶蹴り大会するんだけど、公園に来てくれませんか?」 『おう、いいよ!究極のヒマさに死にそうだったからさ!』 さすがは斗真さんだ。 リスペクトしたくなるようなヒマ人。 『ていうか、敬語使わなくてもいいよ?何か距離感じちゃうから』 「兄に禁止されてるから無理そうです」 シスコンがうるさいんです。
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