缶蹴り~前編~

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まだ続きます。 ラストです。 4人目:桐崎 雪亜(きりさき ゆきあ)。 私の友達とは思えないようなお嬢様キャラが目立つ女の子なわけです。 「雪亜、今日ってヒマ?」 『名も名乗らずに何ですの?悪戯なら切りますわよ?』 こんな口調をする女子高生がいるなんて、雪亜に出会うまで知らなかった。 「私だよ~、草野 光希~」 『…あぁ、貴女でしたの。…それで、用件は?』 冷めてるなー。 沙希といい雪亜といいどうも私の友達って冷めてる気がして仕方ない。 「実は今日缶蹴りしたいなーって思って、電話したの」 『…話が見えませんわ。結局私に何用?私、貴女と違って忙しいのだけれど』 ちくしょう…"わたし"じゃなくて"わたくし"って言ってる時点で手強いというのに…。 こっちもストレートで攻めるしかないか。 「缶蹴り一緒にしよう!」 『御機嫌よう、光希』 「切らないで!!」 『…何ですの?』 危ない。 無闇にストレートを出してもダメな時があったか、びっくりした。 『お嬢様、そろそろヴァイオリンの時間です』 『分かってます。すぐに行きますわ』 電話の向こう側じゃ執事っぽい老人との会話が聞こえてきた。 "バ"じゃなくて"ヴァ"っていうところがオシャレじゃないか、執事(仮)。
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