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「暇だよねー」
私こと草野 光希(くさの みつき)は"高校の昼休み"に向けて一言もの申してやった。
「…いきなり何を言い出すかと思えば…。あんた、この前お弁当食べるための学校だー、とか言ってなかったっけ?」
私の切なる思いは親友には惜しいところで届かなかったらしい。
残念だ。
残念だよ、早川 沙希(はやかわ さき)…。
「お弁当と昼休みは別腹だよ」
「食べるの?」
私の考えを理解しない上に腹ペコ発言してくる我が親友。
お弁当は食べるけどさ~。
「昼休みって、ゆっくりお弁当食べても時間余るじゃん?その間やることないんだよ~。もったいない時間じゃない?」
「今まさしく余ってる時間を堪能しているあんたが言えたセリフじゃないわ」
なかなか私の意見には賛同しようとしてくれないな…攻略法がわかんないから倒せそうにない。
「違う!こうして昼休みが長すぎなければこんな会話してないもん!」
「分かったから急に立たないで…。何かちょっと注目浴びちゃったから…」
こんなにも熱く語ってやろうと思ったのに私は簡単に座らされた。
立った方が絶対気合い入ると思ったんだけど…沙希は恐ろしい子だ。鬼の子だ。
「誰がよ」
「口に出てましたか。失敬」
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