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このままじゃヴァイオリンに雪亜が行っちゃいそうなんで、最終兵器を使わせてもらうとしますか。
「あのね、一樹が缶蹴りをしたいって言い出したの」
『…え?今なんと?』
このお嬢様、エサに食い付いてきやがりました。
「来てくれたら一樹がどれだけ喜ぶんだろうね…。まぁヴァイオリンで忙しそうな雪亜には関係ないけど…」
『い、いえ!そんなことありませんわよ!…貴女がそこまで言うなら行ってさしあげないことも…』
「いやいや、悪いよ。ヒマじゃないんだもん、雪亜は…」
『あんなものいつでも断ち切れますわ!たまには貴女のヒマに付き合ってあげますわ!』
「…いいよ。沙希でも誘うから」
『…少し待っていただける?』
受話器をどこかに置く音がした。
そして耳に全神経を集中させる…。
『今日の予定を全て破棄なさい!絶対よ!』
『お嬢様、それでは私が旦那様に…』
『私からだと言っておきなさい!歯向かうようなら"お父様の会社を一つ潰すくらい他愛もない"と言ってやりなさい!』
『は、はい。かしこまりました…』
…私の缶蹴りで会社一つ潰れそうです。
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