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「昼休みなんだから、体育館なり運動場にでも行って体動かしてればいいでしょ?」
「体育の授業で十分」
「…体動かすの好きなんだから、適当にメンバー揃えて遊べばいいでしょうに」
そりゃ確かに体動かすのは好きなんだけどさー、いいメンバーいねえし。
「じゃあ他のクラスに行って喋ってりゃいいでしょ?」
心読まれた…。
「それは遠回しに私と喋りたくないってことかい!?」
「だから、立たないで」
いくら私が必死に同意を求めたって、沙希は軽々しく一蹴してくる。
「喋りたくないわけじゃないの。ただね、毎日のように話してるのに退屈だ、って言われた私の気持ちはどうなるのよ」
「いや、それは…えと………私は沙希が大好きです」
「いやいや、告られても…」
うわー、人ってこんなにも勝ち誇った顔できたりするもんかね…。
今ここにハリセンがあったらこいつの顔面に叩き入れてやってんのに。
「告ってないもん」
「分かってるわよ。でも、退屈退屈って言われたら、こっちも結構傷付くんだから、気をつけてね」
「…はい、今度から気をつけやす」
「だったらいいの」
その時タイミング良く予鈴が鳴り響き、昼休みの終わり間近を知らせる。
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