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「なかなか進まないね」
「あー!人通りが半端ねーよー!」
今日はいつもより階段使う人が多いみたいで、なかなか掃除が進まないでいます。
お陰様で笹子ちゃんは叫んでいたり…。
「笹子、五月蝿いから静かにしな」
笹子ちゃんが一人楽しく叫んでいると、階段の3階から4階の間を掃除してくれていた友達、浪瀬 知恵(なみせ ちえ)さんが箒を肩に担ぎながら降りてきた。
知恵はとても強気でとても頼りになる中学2年生の私の友達です。
「知恵ちゃん!人が多いよ!」
「"ちゃん"を付けるな。虫酸が走る」
知恵さんは担いでた箒で笹子ちゃんの頭を何回か叩き続けた。
「知恵さん、上の掃除終わった?」
「うん、まあね」
「知恵さん早いねー」
「あんたらが遅いの!人が多ければ退かして掃除しなさい!」
怒られました。
本当に同じ中学2年生なんだろうかとたまに疑問に思ったりします…。
「ラジャー!!では掃除に参ります!!知恵ちゃん!」
笹子ちゃんは逃げるようにして階段を箒で掃いてまわりながら下に駆けて行っちゃった。
「ちゃんと掃除さえしてくれれば………。あいつ、また"ちゃん"付けしたな…」
怖い…。
怖いよ知恵さん。
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