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「笹子のやつをしばいてくる」
「知恵さん落ち着いて!箒は人を叩くためのものじゃないよ!」
止めようと頑張ろうとはするんだけど、知恵さんはとても力が強くて、私じゃ止められない。
「じゃあ箒以外ならいい、と?」
「いやー、えーと………あれ?」
あれ?箒以外ならオッケーなんだったっけ。
「そこで言い淀んでやるなよ…。ま、今日のところは許してやるか。掃除も終わりだし」
「終わりなの?」
「そうよ。先生が帰っていいってさ」
なんだ、終わってたんだ。
だとしたら、笹子ちゃんは今はただの掃除大好きなわんぱく少女なわけか。
「知恵さん、一緒に帰ろ」
「はいよ。笹子は…その内追い付いてくるでしょう」
「うん、そうだね」
下にまとめて置いてあったバッグを持って昇降口に向かう。
「階段掃除って毎日あるんだね」
「あ~、本当にうっとうしかった…。もう休みだからいいけどさ」
「…あ、そっか、明日って土曜日なんだ」
気付かなかったよ…。
何かあっという間に一週間って過ぎちゃう。
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