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謳えるような優しさは
刹那 蒸発した
雲になる事もなく
どこかへ逃げ出す
眼球を覆う透明は
きらきらと僕に夢をみさせた
零れる事はない
その一滴を零すには
もう少し
僕は僕を好きにならなきゃいけないらしい
心から滴る思い出
一枚の布だけで
溢れ出すのはおさえられぬ
水溜まりなら
僕の陰に 隠そう
もう少しと言い聞かせ
響く声に同情を求めた
僕はまだ僕が嫌いなままで
鏡に向かって浮かべた笑顔は
あの秋の残像に
喰われていくよ
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