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僕の前から女の子が何かに追われる様に走って来るのも気付かずに
周りの微かな声と噴水の音だけ聞こえ
右手に持たれた携帯は時が止まり
僕の胸の前で体を休めている。
噴水に夢中な僕へ
後ろを振り返りながら走って来る彼女と
激突した。
スローモーションで倒れかけ
僕の携帯は宙に舞った。
僕の体は段々空中で横になり
離れた携帯を目で追い
必死で右手を差し出したが
全然届かない距離だった。
僕の横になった体が地面に着くと同時に
携帯が噴水の中へ入って行くのが見えた。
「あぁぁぁぁぁ!!」
僕の叫びも虚しく
僕の努力の結晶は
一瞬にして水の中
へ入って行った。
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