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倒れ込んだ僕は、とっさに起き上がり噴水へ駆け寄る。
周りの人は
ぶつかった彼女を見て
見ぬフリをし
それと同時に僕を見ていた。
噴水の水しぶきが水面を揺らし
携帯がどこに有るのか解らないまま
噴水の池を悲しそうに眺めていた。
一方彼女は
ぶつかった僕が噴水へ走るのを見て、すぐ起き上がり
近くの木の影に身を隠した。
その後だった。
1人の男性が噴水場にたどり着き
息を切らしながら辺りを見回した後
首を傾げ去って行った。
ってそんな事はどうでもいいんだよ…
僕の…僕の携帯を…
僕の努力の結晶が…
噴水の池を眺めながら涙を流し、呟いていた。
「ちくしょ…僕の携帯が…ちくしょ…」
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