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本当に最悪だ。
「…若林…? 大丈夫か?」
春日の気遣いの言葉が俺の神経を逆撫でする。
スタッフさんに渡されたタオルで髪を拭きながら、楽屋に向かう。
「若林…」
「うっせぇよ! 黙ってろ!」
振り向き様に拳を繰り出すと、綺麗に春日の頬に入る。
少しだけ春日がふらつき、しかし倒れたりすることなく踏み止まった。
「本当に何なんだよ…もう二度とめちゃイケ出たくねぇ…」
「マジでストレス溜まる…」
乱暴に頭を掻くと楽屋に入る。
それに続いて春日も入ってくる。
「若林。ストレス溜まったら俺のこと殴ってもいいから。」
「…バカスガ。」
春日の言葉にだいぶ気分が落ち着いた。
「…ありがとう…」
呟くように言って着替えを始めると、後ろからウィ、と聞こえ小さく笑った。
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