悲しいサプライズ

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病室の窓から見える景色は、ピンク色だった。 病院の中庭に沢山の桜が花を咲かせていた。 春の景色は、私に少しだけ元気をくれる。 もうすぐ一平の誕生日だ… プレゼントも買いに行けない、もちろん会いにいくことも出来ない…。 お祝いしてあげたいな…。 そんな事を考えながら 携帯の新着メールを問い合わせてみるが一平からメールはない。 私からはこまめにメールはするものの、仕事中はもちろん返信はなかった。 先週も急に仕事になったからと面会には来なかった。 会いたいな… 一平、元気にしてるかな… なにしてるんだろ… 独り暮らしでちゃんとご飯食べてるのかな…。 彼女らしいことが ひとつもできない私が 彼女らしいことを 考えてしまう…。 一平に会いたい…。 「みくちゃん、今日の調子はどう?」 気づいたらベッドで横になる私の顔を先生が覗きこんでいた。 大学病院の医者なんて、 大病の私を実験材料としてしか見ていないことくらい分かってる。私はわざとどうでもいい返事をする。
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