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毎日が、何もなかったみたいに流れていくのに、
俺は空っぽのままだった。
彼女と別れてもうすぐ3ヶ月が過ぎようとしていた。
それなのに、
俺は未練のかたまりでいっぱいになっていた。
仕事をして、アパートに帰る生活…、それしかない。
普段なら、仕事帰りにあいつに会いに行けるのに、
別れてしまった以上、
それもできなかった。
外食する気にもなれずにコンビニで弁当を買った。
アパートまでの道のりを下を向いて歩いていた。
「一平~くん!」
はっとして前を見ると、アパートの階段に腰かける恵里菜がいた。
「びっくりしたょ…え?ここでなにやってんの?」
「一平くんを待ってたの。悪い?」
「いや…そうなんだ。」
「なに~?コンビニ弁当?」
俺は手にぶらさげているコンビニの袋に一旦目をおとした。
「あぁこれ?そうだよ。」
「そんなもん食べて明日から仕事できんの?」
「いつものことだよ。自炊なんて俺には無理だしな。」
「そう…。じゃあ行こうよ。」
「どこに?」
「いいから…いくよ!」
そう言って恵里菜は俺の手を強引に掴み歩き始めた。
特に会話もなく、恵里菜の靴がカツカツと暗くなった道に響いていた。しばらくそうして歩いていた。
「なぁ…どこ行くんだよ?」
「あそこだよ。」
そう言って恵里菜が指さした向こうには、小さなスーパーがあった。
「なにすんの?」
「買い物に決まってるでしょ。」
「え?」
「いいから…いちいちなんでなんでって聞くのやめてくれる?」
「あぁ…ごめん…。」
恵里菜はいつも強引だ…。
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