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今日恵里菜が俺に会いに来たのは
それを伝える為だったんだろうか・・・。
恵里菜は俺に好意をよせている・・・。
正直あの夜は、なるようになればいいと思って、
酒も入って半ば軽い気持ちで・・・恵里菜を抱いた・・・。
恵里菜はいつから俺のことをそんな風に見ていたんだろう。
誕生日を一緒に祝うと言ってくれた恵里奈・・・
俺のために選んでくれたプレゼント・・・。
性格からして、
恵里菜はどうでもいい男にそんなことをするような
タイプじゃない・・・。
俺はあの夜、やっぱり恵里菜を傷つけていたんだ・・。
「恵里菜・・・・。」
「・・・・。」
「聞いて。俺さ、・・・・」
「返事なんてしないで。
分かってるから・・・、返事なんかしないで。」
「いや・・・、ちゃんと謝るよ。あの夜は・・・。」
「言わないで!」
振り向いた恵里菜の目に少しだけ涙がたまっていた。
「そんなに彼女がすきなの?
まだ忘れらんない?」
「・・・・。」
「まだ未練がある?彼女にあたしとの事見られて、
後悔したんでしょ?
そんなこと分かってる。」
「・・・・。」
「だけど、別に、一平くんに彼女がいようがいまいが、
彼女に浮気ばれて別れようがあたしには関係ない。
あたしが一平くんをすきだって思えば、
あたしは気持ちぶつけてく。
誰にも遠慮なんてしない。
彼女が病気だからって関係ない。」
「・・・恵里菜・・・。」
「あたしといれば、すぐに彼女のことなんて忘れるよ。」
「・・・・。」
「一平くんはそのうちあたしをすきになる。」
「・・・・え?」
「分かるもん。ゆっとくけどあたし自信過剰だから。」
泣きそうな恵里菜が今度はジョークまじりにそう言って笑った。
「一体なんなの?その話の展開は・・・恵里菜ってほんと
意味わかんねえよ。」
俺もそう言って笑ってみせた。
こいつは本当に人妻なんだろうか…。今日の恵里菜は女の子だった。
笑いあったせいか、
さっきの恵里菜の大胆すぎる告白はかき消され、俺達はなにもなかったように皿を洗いながら会社の同僚の話で盛り上がった。
先にベッドに腰をおろした俺の膝を割って、恵里菜は俺の右太ももに腰をかけた。
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