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おみあい結婚のほうがいいのかもしれないな・・・
睡魔に襲われながら、ぼんやりそんな事を考えていた。
恋愛の絶頂期に結婚して、
そこから平行線で添い遂げることが出来る
夫婦は一握りかもしれない。
絶頂の後には、下降が待っている。
それが今のあたし達だ・・・。
まだ30になったばかりの二人がセックスレスなんて・・・。
ふと目を開いて、翔太の寝顔を確認してみたが、
体に興奮が残っていて、何かを求めていても、
翔太には何も感じなかった。
抱いて欲しいとは思えない・・・。
形だけの夫婦生活から逃げ出したいのか、
あたしは欲求不満なのか、
恋愛のキラメキをもう一度経験したいのかなんなのか・・・
あたしは今「不倫」している。
彼との関係は決して浮気とは呼べなかった。
浮気以上の感情が彼にはある・・・。
夫の隣にいながら、今日抱き合った男の事を考えると、
再び体が火照っていた。
会社の同僚である一平に好意を抱いたのは
丁度あたしと翔太がセックスレスになった頃だったろうか・・・。
年下なのに、気が利く優しい一平にだんだんと興味が沸いていった。
病気がちの彼女がいると聞いた時、
少しだけ落胆したが、結婚している自分が、
一平と恋愛関係になるはずが
ないというあきらめから、
一平の恋愛相談にのることもあった。
しかし、彼女になれるはずもないあたしが
いつからか一平の彼女になりたいなんて
都合のいいことを考えるようになっていた。
病気の彼女には成しえない強みがあたしにはあった。
いつでも抱くことのできるこの健康な体だ・・・
始まりは単なる弾みだったかもしれない。
お互い、求めていたのは人肌だったのか・・・、
寂しさや、孤独をまぎらわせる為に抱き合い、
お互い大切な人を裏切ってしまった。
そこから始まったこの不倫関係もなんだかんだいって
半年も続いている・・・。
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