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「大丈夫か?胸苦しいか?」
「大丈夫…なんともない…。」
「そろそろだろ?彼氏の部屋。」
「うん…あの通り曲がったらすぐだよ…。」
この動悸はなんなんだろ…
一平が喜ぶ顔を想像すると、更に動悸がした。
もうすぐ会えるんだ…。
「先生…、そこだよ!車とめて!。」
思わず声が大きくなっていた…。一平のアパートの道路脇にジャガーがゆっくりと停車した。
「いいか?一時間…。一時間だぞ?そしたら病院に戻ろう。
ゆっくりってわけにはいかないけど、彼氏喜ばせてやれよ。」
「先生は?」
「俺はその辺適当にドライブでもするよ。たばこきれたし、コンビニでも探してひまつぶしとく。
一時間後にここにくるから。」
「うん!分かった。
じゃあ行ってくるね。」
「部屋まで歩けるか?」
「うん。一階だし、すぐそこだから。」
「分かった。じゃあまた後でな。」
重いドアを開け、ゆっくりと車から降りた。
手の中に一平の鍵を感じながら、ゆっくりと部屋を目指した。
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