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俺はびっくりして顔を上げる。
大柄男は右手を突き出しながら不敵な笑みを浮かべていた。
不気味なほど甘ったるい声で言う。
「こういうときはな、『どうもすみませんでした、許してくださいお願いします』って言うんだよ、お坊ちゃん?」
そう言うが早いか、大柄男はまた右腕を引き、俺に向かって右手を降り下ろした。
やばいっ……!!
俺はぎゅっと目をつぶった――
その瞬間。
体の奥底から、エネルギーが物凄いスピードで沸き上がってくるような感覚。
――と同時に、そのエネルギーが肩、肘の内側を駆け抜けて一気に手のひらに集まっていき…。
思わず、無意識に、俺は絶叫する。
――爆音。
大柄男が真後ろに吹き飛ぶ。
「ぐはぁっ…!!」
朦朧とした視界の中で、大柄男の呻き声が聞こえる。
見ると、大柄男が地面に無格好に尻餅をついている姿が目に入った。
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